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政治

自民党内「嫌安倍」のマグマ

「幹事長周辺」が総裁選波乱の震源に

2018年2月号

 首相安倍晋三と自民党幹事長二階俊博の間に冷ややかな空気が流れている。二階と言えば、「ポスト安倍は安倍」を繰り返し、安倍の自民党総裁三選の流れを作った最大の立役者と言っていい。もともと自民党の党則変更がなければ今年九月に総裁としての任期満了を迎え、安倍は首相の座を降りなければならなかったはずだ。三選が可能になったからこそ昨年九月の衆院解散に打って出たのだ。仮に任期延長がなければ安倍の解散権は封じられていたに違いない。ましてや昨年の安倍は自身にまつわる森友・加計学園問題に直面、内閣支持率が急落しており、「安倍降ろし」の懸念さえあった。
「総理にとって二階さんは足を向けて寝られない政治的な命の恩人だ」(自民党幹部)
 ところがである。二階は年明けから安倍に対する不満をしばしば口にするようになった。
「官邸は饅頭ひとつ持ってこない」

平昌出席問題で「安倍包囲網」

 二階は昨年末に自民、公明両党の国会議員団を引き連れて訪中した。その際には中国の国家主席習近平とも会談、習の来日を強く要請し・・・