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政治

安倍官邸「役人殺し」の構造と体質

《政界スキャン》

2018年4月号

 森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんは、朝日新聞が疑惑を指摘した後、
「常識が壊された」
 と親族に嘆いていた近畿財務局男性職員の自殺をきっかけに事実が次々露見した。NHKの独自取材によれば、職員は
《決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ、上司に書き直させられた》
《勝手にやったのではなく、財務省からの指示があった》
《資料は残しているはずで、ないことはあり得ない》
《このままでは自分一人の責任にされてしまう》
《冷たい》
 などと書いたメモを残していたという。巨大な官僚機構に押し潰された組織的パワハラ殺人と言うべきである。
「殺人組織」の責任者は、理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官と麻生太郎副総理兼財務相だ。
 現場の役人を死に追い立てる問題がなぜ起きたのかをたどれば、たとえ「だまされた」にせよ、安倍晋三・昭恵首相夫妻の罪は免れがたい。詐欺に遭うような首相夫妻では国民が迷惑する。
 しかし、法律は、理不尽に人命が絶たれた責任や罪を問う論理を備えていない。せいぜい佐川・・・

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