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経済

《クローズ・アップ》森 信親(金融庁前長官)

顧問先八社・年収二億円の「幸せ者」

2019年1月号

 三年間の長きにわたり長官として金融庁に君臨してきた森信親氏。大物長官として知られた森氏が退官したのは昨年七月だった。その森氏の評判が地に堕ちている。
 退官後、森氏を慰労する会が金融庁の幹部等を中心にして何度となく持たれた。そうした席で森氏が上機嫌になって語るのが、自身の身の上だった。
「顧問先が八つもあって、年収は二億円くらいになるんだよ」
 こんな森氏の言葉に後輩たちは一様に絶句するばかりだった。顧問先がいくつであろうと、その顧問料がいくらであっても、それは個人の才覚によるものであり、他人がとやかく言うことではないかもしれない。
 が、それにしても顧問先八社、年収二億円とは。昨今の状況を考えれば、驚くべき数字だ。
 伝わってきた顧問先だけでも全日空、日本総研、経営共創基盤、渥美坂井法律事務所と錚々たるもの。旧友、冨山和彦が率いる経営共創基盤などは、たいした顧問料は払ってはいない。
 八つの顧問先の中には、米コロンビア大学国際公共政策大学院での教鞭も入っているようだ。これは外資系金融機関、ゴールドマン・サックスによる寄付講・・・