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経済

《企業研究》日本オリンピック委員会(JOC)

贈賄疑惑に揺れる 「超金満団体」

2019年2月号

「役員の皆さんにもご心配をおかけして申し訳ない。今後は手続きに則り、疑惑を払拭するために粛々と(仏司法当局などに)協力していく」
 一月二十二日、都内で開かれた公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)の今年初の理事会。竹田恆和会長はこう謝罪するとともに今後、身の潔白を明かすために全力を尽くす意向を表明した。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致を巡る不正疑惑―。竹田会長が当時、理事長を務めていた五輪招致委員会(一四年解散)からシンガポールの経営コンサルティング会社、ブラック・タイディングス(BT)社に一三年、コンサルタント料の名目で総額二・三億円の資金が支払われ、それが国際オリンピック委員会(IOC)総会における五輪開催地決定の際の選考委員の買収資金などに流れたというもので、昨年十二月からは仏当局による竹田会長に対する贈賄容疑での本格捜査もはじまった。
 疑惑が浮上したのは一六年五月。仏当局が招致委の取引銀行からBT社への不審な送金を指摘したのがきっかけだ。BT社のイアン・タン・トンハン代表は、IOCの選考委員で五輪開催地決定に強い影響力を・・・