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経済

《地方金融の研究》西武信用金庫

業績拡大の裏で「暴力団」とべったり

2019年5月号

 時は今からおよそ四年半前の二〇一四年十一月二十一日に遡る。東京・中野にある西武信用金庫本店の八階会議室。ここで午後三時からある会合が開かれていた。
 西武信金の全額出資で〇三年設立されたベンチャーキャピタル子会社、西武しんきんキャピタルが主催する「成長企業セミナー」で、この日のテーマは「企業を取り巻く『不正』と『犯罪』 反社会的勢力への対応」。反社会的勢力への予防対策は未上場の中小企業でも重要な経営課題だとして、取引先の企業経営者らに暴力団との関係遮断や不当な要求の拒絶、内部管理態勢の強化を促すものだった。
 それなのに対策の重要性を訴えた当の西武信金自身が、実は反社会的勢力と懇ろな関係に陥り、暴力団組織に連なる企業に融資するなど便宜供与を重ねていたというのだから恐れ入る。「振り込め詐欺の犯人がその被害者に『傾向と対策』を講釈するようなもの。洒落にもならない」。セミナー開催に協力した監査法人幹部の一人もこう呆れ返る。

出店攻勢と融資拡大路線のツケ

 信金大手の一角、西武信金に反社会的勢力・・・