米中貿易戦争で、中東のユダヤ人国家イスラエルが虎視眈々と「漁夫の利」を狙っている。
　米国のドナルド・トランプ政権が、中国の電気通信・ハイテク分野を禁輸措置で締め上げようとする中で、イスラエル企業が米国の穴を埋めようというのだ。
　一方の中国は、イスラエルの地中海沿岸で、二つの港への巨額投資を計画中である。中東最大の同盟国の抜け駆けに、トランプ大統領はいら立ちを強めている。
　今年三月下旬、トランプ大統領が国際世論の猛反対を無視して、イスラエルが占領するゴラン高原を「イスラエルに主権がある」と宣言した時、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は満面の笑みで傍らに立っていた。四月の総選挙を控え、何よりの援軍になったからだ。
　テレビ向けのイベントが終わった後、トランプ大統領はやんわりとこんな質問をした。
「ところで、中国とはどうなっているのかな」
　米中貿易戦争がますます激化する中で、トランプ大統領は、盟友であるはずのネタニヤフ首相が、仇敵の中国と妙に接近しているのを明らかに気にしている。
　イスラエル外交筋は、「トランプ大統領・・・