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経済

《クローズ・アップ》冨木田道臣(エフエム東京会長)

電撃解任「派閥抗争」の敗残者

2019年6月号

 名門ラジオ局で前代未聞の事態が進行している。五月二十九日の取締役会で現執行部役員の大半が退任することになったエフエム東京(以下、FM東京)。一部から不正会計問題などが漏れ伝わるが、内部でなにが起きていたのか。
 きっかけは四月十七日。皇居に近いFM東京本社で取締役会が開かれる際、冨木田道臣会長と千代勝美社長が、新人事案について社外取締役に説明に赴いた。しかし、社外取締役の松前義昭氏(東海大学理事長)のところへ行くと、なぜかもう一人、前田伸・社外取締役(東京タワー社長)も待っており、「突如として冨木田、千代両氏に対して辞任するように求めた」(同社関係者)というのだ。社外取締役の二人は辞任を求める理由を二つ挙げた。ひとつは事業の失敗、もうひとつは不正会計問題だった。事情を知る関係者が語る。
「二人は『不適切な会計処理が見つかったが冨木田氏らが辞めるなら穏便に済ませる』と迫った」
 冨木田氏らは抵抗を試みたが、最終的には現執行部のほとんどが退任するという結果となった。ただ、不正会計の件は「監査役の耳にも入っており葬り去ることは難しい」(前出関係者)という。{b・・・