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経済

リクルート「企業情報漏洩事件」の深刻度

なぜ公表も報道もされないのか

2019年10月号

「リクルートに染みついた『低モラル』体質は拭い難い。グループのDNAに刻み込まれているのだろう」
 ある同社OBはこう語る。多くの社員が三十歳代で退職して、各方面で活躍する人材を輩出してきたリクルート。しかしこのOBは同グループの「儲かればいい」という体質に疲れて会社を去ったと語り、そうした出身者も多いとこぼす。かつてのリクルート事件にも通じる同社の体質が改めて浮き彫りになっているが、相次ぐ不祥事の隠蔽やメディアにおける「リクルートタブー」もあり、問題の核心は放置され続けている。

メディアにおける「タブー」

 本誌九月号に掲載された「リクルート『銀行参入』が間近に」という記事は波紋を広げた。しかし一方で、同記事が触れたグループ内部における隠蔽問題については続報がほとんど出ていない。
「リクルートはグループを挙げて大量の広告を出稿している。そのためテレビはもちろん、新聞社もあまりモノを言いにくい」
 電通関係者はこう語る。リクルートホールディングスの広告宣伝費は「年間約六百億円で推・・・