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経済

Jパワー「石炭火力依存」は国の恥

世界が白眼視する「時代遅れ企業」

2020年2月号

 国連気候変動枠組条約第二十五回締約国会議(COP25)が昨年十二月、〝無事〟に閉幕した。日本は大会期間中に二度の「化石賞」を受賞するなど批判の的となったが、世界的な脱石炭の流れに堂々と抗い続けたのだから、それも無理からぬ話だ。小泉進次郎環境相が矢面に立つ裏で、誰よりも胸を撫で下ろしたのは、日本最大の石炭火力発電事業者である電源開発(Jパワー)だろう。Jパワーは国内販売電力量の八割を石炭火力発電に依存している。仮に、小泉環境相が胆力ある真の政治家で、役所の反対を押し切って脱石炭を宣言していたら、Jパワーは致命傷を負うところだった。
 確かに、脱石炭はすでに国際的な潮流であり、ダイベストメント(投資撤退)の動きも盛んになっているが、現状においては、Jパワーにとって大きな痛手とはなっていない。
 理由の一つとしては、資金調達への影響がないことが挙げられる。Jパワーは二〇一五年に一千三百億円規模の増資を実施したが、エクイティファイナンスはそれっきりで、以降は資金調達の軸足を社債に移してきた。

五年前から株価は半値に{・・・

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