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政治

経済危機でも 存在感なき「財務省」

財政歪める「ばらまき政策」に沈黙

2020年4月号

「人類が新型コロナウイルス感染症に打ち勝った証しとして完全な形で東京五輪を開催する。二〇二一年の夏までを目標に、しっかりと対応していく」。三月二十四日夜、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長との電話会談後、総理公邸前に現れた安倍晋三総理は、苦渋の表情で五輪延期を表明した。憲政史上最長の在任期間を誇りながら「レガシーなき宰相」とも揶揄される安倍。新型コロナウイルスが猛威を振るう今回も、側近たちがさらなる政権の延命を狙ってコロナ減税やばらまきを模索、財政の番人・財務省は内部崩壊し、そのツケは結局のところ国民に回る構図が生まれている。
 安倍が全国の小中高校と特別支援学校を臨時休校するように要請したのは二月二十七日のことだった。官邸スタッフは「感染拡大で国際社会の批判の矢面に立つことを防ぐための『積極果断な措置』だ」と強調する。しかし、休職や在宅勤務などを突如強いられることになった国民の間では、「ママ友LINEグループは見たこともないくらい『ふざけるな』の書き込みが続いていた」(大手企業に勤める女性社員)と、批判が高まる。

官邸に尻尾振る太田と宇波・・・