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経済

「テスラ躍進」トヨタ章男の焦燥

株価が示す世界評価の「逆転」

2021年1月号

「テスラにはリアルの世界がない」―トヨタ自動車の豊田章男社長は突如として米テスラを酷評した。二〇二〇年十一月の同四-九月期中間決算会見、コロナの状況下での業績急回復という手柄話を冷静に語っていた章男社長だが、記者からの「テスラの躍進をどう見ているか」との質問で一変する。章男社長は「テスラの時価総額は約四十兆円とトヨタはじめ日系七社を合計した約三十三兆円を超え、再生可能エネルギーやCO2削減についても学ぶべき点は多々ある」としながらも、「キッチンやシェフがまだできていない中で、ウチのレシピが将来は世界のスタンダードになるよという点が評価されている」と言い放った。
 自動車業界担当の全国紙経済記者は「テスラの生産台数などトヨタに比べればモノの数ではない。時価総額が大きいからといい気になるなよという、あからさまな挑発だ」と指摘する。日本のマスコミでは「トヨタはテスラより優れている」との章男社長の言い分がそのまま伝えられたが、海外メディアの反応は冷ややかだ。
 米環境技術サイトのClean Technicaは「テスラはトヨタと同じことをしていないので、テスラにリア・・・