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WORLD

我々に米国の「代替」はない

ドヴィレ・シャカリエネ(前リトアニア国防相)

2026年3月号

 ―トランプ大統領が世界秩序を揺るがしている現状をどう見ますか。

 米国が世界各国に対し、まったく妥協しない「目覚まし」政策を行っているという認識がある。米国はこれまで欧州とアジア・太平洋の安全保障を担ってきた。ただそれが自由世界の価値観を守るためだったというのは幻想に過ぎず、米国は常に実利的だった。大国の利益は、かつてもこれからも世界の在り方を規定する。
 安全保障の観点では、権威主義や独裁体制から、自由世界の生活様式を守るという構図は変わっていない。中国とロシアは、世界をつくり替えようとしていることをもはや隠そうともしていない。欧州も日本も米国なしでは防衛は立ち行かず、我々に代替はない。欧州はウクライナを侵略するロシアと対峙し、自らの安全保障のために立ち上がる能力を持つことで、大国が仕切る意思決定プロセスに関与できる。中堅国、小国は受動的であることは許されず、結束して強固な安全網を築く必要がある。

 ―トランプ氏はデンマーク自治領グリーンランドの割譲も迫りました。

 トランプ大統領の手法は衝撃的で、対処が難・・・

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