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経済

「株式バブル」はいつまで続くか

この宴も「コロナ」次第

2021年2月号

 米国株式市場で一月十一日、無名の医療機器メーカー「シグナル・アドバンス」の株価が急騰した。電気自動車メーカー「テスラ」のイーロン・マスクCEOがツイートで、シグナル・アドバンスとは関係のない暗号化メッセージアプリ「シグナル」を勧めたことに端を発し、市場が誤解して反応したのだが、その後も上昇は止まらず、三営業日で六三〇〇%も上昇したのである。市場の狂気は危険域に達したといえる。また、ハイテク株を中心とした米ナスダック総合指数は、二〇一九年、二〇年の二年間で九四%も上昇した。これは一九九八年から二〇〇〇年にかけて起こったITバブルを彷彿とさせる。このバブルはいつまで続くのか。
 ドイツ銀行が一月十三日から十五日にかけて、六百二十七人の市場関係者に行ったアンケートによると、八九%の投資家が「一部の金融市場がバブルになっている」と回答している。具体的にバブルと認識されている市場は「暗号通貨」と「ハイテク株」である。暗号通貨のバブル度は「一〇点満点中で一〇点」と半数以上が回答しており、同様に米国のハイテク株のバブル度は平均七・九点という結果となり、回答者の八三%が七点以上を付けた。{・・・