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経済

トヨタで発覚「車検不正」の悪質

「人命軽視」の社風がまた露見

2021年5月号

 トヨタ自動車のお膝元である愛知県で「考えられない」と同業者も絶句する不祥事が起こった。ネッツトヨタ愛知プラザ豊橋による大規模な車検不正事件である。二〇一八年十二月から二一年一月の二年以上にわたり同店で車検を実施した五千百五十八台のすべてに、何らかの不正があったというから驚く。ネッツトヨタ愛知では「店長も把握しておらず、整備現場が勝手にやったこと」と弁明するが、他メーカーの販売会社関係者は「これだけ長期にわたる大規模な不正で『一部の整備士しか知らなかった』はありえない。組織ぐるみでの不正としか考えられない」と言い切る。
 車検不正事件を起こした同社に対し、「看板に泥を塗られた」と激怒するはずのトヨタも「再発防止の徹底をサポートすることが重要で、処分を下す考えはない」(広報部)とそっけない。「ネッツトヨタ愛知の組織ぐるみの不正となると、トヨタの監督責任も問われる。あえて販社を処分しないことで、整備士の個人的な問題にしておきたいのだろう」と、内情に詳しい専門紙記者はみる。大規模な車検不正にもかかわらず、地元紙の中日新聞や日本経済新聞、朝日新聞でさえ大きく取り上げていない。各紙とも・・・