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経済

任天堂「山内家」の意外な近況

「企業買収」に精出す溥氏の次男

2021年6月号

 任天堂の中興の祖として知られる故・山内溥氏の戸籍上の次男・山内万丈氏が、豊富な資金を背景に上場企業の買収稼業に乗り出したことが金融関係者の間で話題となっている。
 万丈氏が亡き父親から相続した任天堂株式約三%の一部を現金化した資産を主な原資とする「一般社団法人Yamauchi-No.10 Family Office」(山内家ファミリーオフィス)。ここが出資しているシンガポール籍のアクティビストファンド「アスリード・キャピタル」が、四月二十八日、ENEOSグループの石油製品の販売を手がける東証一部上場企業の富士興産に、突如として株式の公開買い付け(TOB)を開始した。
 アスリードは富士興産経営陣から賛同を得ずに支配権獲得を目的としてTOBを行っており、敵対的TOBに発展する公算が極めて大きい。山内家ファミリーオフィスは「今回のTOBの資金を追加でアスリードに出資しているようだ」(関係者)という。

バフェットへの憧れ

 山内家ファミリーオフィスは「私たちの目的は、無機質な金銭を獲得すること・・・