三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

岸田が纏う「宏池会ブランド」の虚飾

《政界スキャン》

2021年12月号

 十月末の衆院選で自民党と立憲民主党の明暗を分けた一つの要因は、政界における「宏池会」のブランド力だったに違いない。立憲の枝野幸男前代表は、かねがね自分の政治信条を「リベラル保守である」と称し、「自民党では宏池会路線が一番近い」と親近感を広言してきた。どちらが首相にふさわしいか政権選択の決戦本番に、本家本元の宏池会会長である岸田文雄首相が登場しては出る幕がない。「左翼呼ばわり」されるのをかわそうと長年吹聴してきたつまらぬ気取り癖が、勝負どころにとんだ墓穴を掘った。
 政策でもお株を奪われた。枝野氏は安倍晋三・菅義偉政権の格差拡大を批判し、分配重視を主張してきた。岸田氏に「成長と分配の好循環」を唱えられては形無しである。与野党一対一対決型の選挙区では接戦が多かった。政策が同じなら、勝敗の決め手は選挙戦術より党首の「顔」。それも大差なければ、最後はブランド力がモノを言ったというわけだ。
 旧民主党には「宏池会好き」が多い。枝野氏も仙谷由人元官房長官に誘われて、加藤紘一氏と超党派勉強会を作っていた。国民民主党の玉木雄一郎代表が、地元・香川県出身の大平正芳元首相の孫娘を公設・・・