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連載

皇室の風 第160話

ティアラの行方
岩井 克己

2021年12月号

 眞子内親王(当時)が去り、愛子内親王が十二月一日に二十歳の成人年齢となる。この年末年始は、皇室の風向きのひとつの分かれ目になるかもしれない。  
 愛子内親王の成年皇族行事は同五日。「学業優先」で日曜日に延期という。現天皇の妹の紀宮清子内親王(現・黒田清子)が昭和天皇の崩御で延期して以来のことだ。  
 またティアラ(宝冠)は「コロナ禍の国民生活を配慮して」新調せず、清子元内親王の私物を借用するという。宮内庁は「清子さまも快諾された」と説明している。  
 眠っていた記憶がよみがえる。清子内親王の結婚・皇籍離脱を前に所持品を分類整理していた侍従職関係者がつぶやいたひと言だ。 「宮さまのティアラは天皇・皇后両陛下(現・上皇夫妻)がお手元金の蓄えから購入して贈って下さったもので、あくまで宮さまの最も大切なたからもの。でも、高価な良い品なので、お代替わり以降、どこでどう使われ、どうなっていくか心配。お預りする宮内庁も厳重に管理せねばなりません」  
 昭和から平成への代替わりの際、香淳皇后から美智子皇后へと継承された宝飾品で目録に記載されているのに消・・・