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北アフリカが 「水素開発」で脚光

欧州が渇望「夢の再エネ」の功罪

2022年5月号

 ロシアの石油・天然ガスに頼らず、地球温暖化ガスの排出を抑制し、しかも原子力ではないエネルギー源―。
 絶対に解けないパズルのような課題に、ヨーロッパの政治家とエネルギー業界は解答を見いだしたようだ。アフリカ大陸の水素エネルギーが今年になって大きな注目を集めている。北アフリカのアルジェリアやモロッコは、西欧との地理的な近さもあって開発ラッシュ到来の気配である。

欧州各国がアルジェリア詣で

 一本の電話で、イタリアのマリオ・ドラギ首相が動いた。
 アルジェリアのアブデルマジド・テブン大統領から「こちらにいらっしゃいますか」と聞かれて、ドラギ首相は「すぐうかがいます」と即答した。四月十日のことだ。
 言葉通り、ドラギ首相は翌十一日、アルジェリアの首都アルジェで、両国の新たなエネルギー協定に署名した。
 ドラギ首相は、「ウクライナ侵攻の直後から、私は全速力でロシアへのエネルギー依存を減らすと言ってきた。これがその成果の一つだ」と胸を張った。
 両国の合意の詳細は公表・・・