二〇二四年の米大統領選まで二年あまりとなり、米政界は早くも「次はどうなる？」の話題でもちきりだ。共和党で「一強」だったはずのドナルド・トランプ前大統領に、強力なライバルが台頭しているからだ。スポーツ万能で、イェールとハーバードという米国の二大名門大学で学んだ、「これぞアメリカ男児」の四十四歳が今、トランプ氏を焦らせている。
　デサンティスはイタリア系で、祖先は二十世紀初頭に米国に渡ってきた。子供の頃から勉強もスポーツも得意で、リトルリーグで世界大会に進出したこともあり、イェール大学進学後は野球部で主将を務めた。この後、ハーバード大学ロースクール（法科大学院）に進んだ。
　大学院時代に海軍に入隊し、米軍付きの法律専門家として活躍した。海軍エリート部隊「シールズ」に所属して、イラク戦争の最前線に配備されたこともある。所属部隊のほとんどで勲章をもらう活躍ぶりだった。当時を知る友人は最近、米メディアに「若いころから大統領を視野に入れていたよ。ピカピカの経歴を積み上げたのもそのためだ」と語った。
　三十四歳で政界に転身し、フロリダ州選出の連邦下院議員になった。軍の・・・