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経済

トヨタが販売店に命じる「違法行為」

顧客も巻き込む車検証「虚偽記載」

2022年12月号

 昨今「転売ヤー」と呼ばれる人種が跋扈している。品薄なものや今後不足しそうなものを買い占めて、高値で売却して利益を得ている連中のことだ。半導体不足による新車供給減少を契機として、中古車市場が活況を呈している自動車業界でも転売は問題になっている。特にトヨタ自動車の人気車種が標的だ。そんな中、同社のディーラーが顧客に半ば強要している転売防止策が、「違法行為」の疑いがあり、物議を醸している。

ランクルの転売防止が名目

 今年八月の国内新車販売台数ランキング(軽自動車を除く乗用車)に異変が起きた。通常、トップ10の大半をトヨタ車が占めるのだが、八月単月では五車種にとどまったのである。経済誌記者が語る。
「八月は特に納車が遅れたために、新規登録車が減ったのだろう」
 登録を基準にしたランキングのため、販売店が売るだけでは数字に表れない。
 トヨタの公式サイトでは、車種別の納車状況が公表されている。「カローラ フィールダー」や「ヤリス クロス」といった複数の人気車種で「六カ月以上」と表記され・・・

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