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政治

広島サミット 「岸田劇場」の盲点

世界が失望する「空疎な会議」に

2023年4月号

 G7広島サミット後、岸田文雄首相は衆院解散に踏み切る―。下がり続けていた内閣支持率が日韓関係正常化とウクライナ訪問の外交成果で微増し、本人がすっかりその気になっているという。下げ止まったとしても支持率は低く、強気になるには根拠が弱いと疑う見方は、政界の定石が好きな岸田氏の癖を見落としている。
 サミット主催と政局にはいくつかのセオリーがある。一つが、サミットに絡めた衆院解散だ。過去六回の日本開催のうち四回は、前後に衆院解散があった。
 ①一九七九年六月東京サミット(大平正芳首相)→十月衆院選。自民党が追加公認で過半数維持
 ②一九八六年五月東京サミット(中曽根康弘首相)→七月衆参同日選で自民党大勝
 ③一九九三年七月東京サミット(宮澤喜一首相)→七月衆院選で自民党過半数割れ、政権交代
 ④二〇〇〇年七月九州・沖縄サミット(森喜朗首相)→開催地を決めた小渕恵三首相が五月に急死。六月衆院選で与党は議席を減らすも絶対安定多数を維持
 ⑤二〇〇八年七月北海道・洞爺湖サミット(福田康夫首相)&r・・・

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