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社会・文化

結局延命する「新興宗教団体」

メディアも政官も「尻すぼみ」に

2023年4月号


 安倍晋三元首相の銃撃事件以降、あれだけ過熱した「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)」に関する報道は潮が引いたように収まった。しかし教団の反社会性や問題点はいまだに残っている。ここにきて「エホバの証人」の虐待問題が報道され、「幸福の科学」の教祖が死去し、いわゆる新興宗教を巡る話題が相次いだ。しかしいずれも世間をそれほど騒がせてはいない。日本社会全体が宗教話に食傷気味となったのを奇貨として、旧統一教会をはじめとする問題ある宗教法人はまんまと延命を果たそうとしている。

旧統一教会の「方針転換」

 幸福の科学の教祖である大川隆法氏の急逝が報じられたのは三月二日。二月二十七日に東京・港区の自宅で倒れ、心肺停止となっていたという。
 近年、大川氏の元妻が週刊誌などに登場して教団の内情を暴露していたほか、最近は大川氏と決別した長男が主にネット上で教団批判を繰り広げていた。過去に献金問題で信者とのトラブルを起こした新興宗教という点で、旧統一教会と共通する部分はある。その教祖が死去したにもかかわらず、報・・・

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