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経済

伊藤忠「商社トップ」への妄執再び

岡藤が目論む「次の一手」

2023年6月号

 バフェット効果―。東京株式市場は五月十七日、日経平均株価が一年八カ月ぶりに三万円台を回復し、日本株人気が沸騰している。火付け役となったのは、“オマハの賢人”と呼ばれるウォーレン・バフェット、世界的な米投資会社バークシャー・ハサウェイ(ネブラスカ州オマハ)のCEOだ。
 その賢人が来日し、四月十一日、投資先である日本の五大商社の首脳と相次ぎ面談することが報じられると、東証株価は二万八千円を突破した。なるほど、バフェット効果だが、「いや、“岡藤効果”だ」と、伊藤忠商事を除く四社の間には皮肉と怨嗟の声が燻ぶる。
「伊藤忠の岡藤さん(正広会長)の神通力は一向に衰えていない」
 いったい何があったのか―。実は賢人との面談は秘密裡に行われるはずだったのだ。十一日に伊藤忠、丸紅、三菱商事、翌十二日に三井物産、住友商事の順で各首脳は呼び出されている。が、一番手の岡藤が「フォーシーズンズホテル東京大手町」二十階のスイートルームでバフェットと差し向かいになっていた頃、異変が起きた。当の賢人のインタビュー記事を、日本経済新聞と朝・・・

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