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政治

真夏の政変「連立再編」

「自公国政権」への蠢動と八月人事説

2023年8月号

 前代未聞の首相岸田文雄の「衆院解散見送り」発言からわずか一カ月余り。今度は内閣改造・自民党役員人事の日程が急浮上してきた。これも岸田のひと言が発端だった。岸田は周辺にこう語った。
「旧盆(八月中旬)前の改造はない」
 裏を返せば盆明けにはやるとの意思表示でもあった。現政権の顔ぶれが決まったのは昨年八月十日。それから約一年が経過し、いつ人事があってもいい時期を迎えているのも確かだろう。ただ幹事長をはじめ自民党役員の任期切れは九月末のため、党内の常識的な相場観は「九月中旬人事」にあったが、にわかに前倒しとなり、「八月下旬人事」が軸となったのだった。
 岸田は八月十八日から二日間、米ワシントン郊外のキャンプデービッドで行われる日米韓三カ国首脳会談に出席する。帰国後の約一週間に重要な政治日程がないことが盆明け改造の理由とされる。
 しかし、理由はそれだけではない。水面下で静かに進行中の国民民主党の連立政権入りと改造が密接に絡み合うからだ。国民民主党の党大会は九月二日。今年の党大会では代表選が行われる。告示は八月二十一日だ。それだけなら単なる野党の一政党・・・

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