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経済

洋上風力「汚職」の本質

黒い「再エネ村」に巣食う輩たち

2023年9月号

“原子力の村”として知られる青森県六ヶ所村―。そこには、電力業界が建設中の使用済み核燃料再処理工場がある。が、三沢空港から同工場へ続く国道を北上すると、左側の山沿いに次々と風車が見えてくる。かつて「やませ(偏東風)」による冷害に悩まされた同地は今や、八十六基の風車が回る“風力発電の村”でもある。
 その中で、最も古い二十基の風車が建ったのは二〇〇三年十二月のことだった。事業主体は風力ベンチャーの老舗、日本風力開発(JWD)―。ある電力関係者は意外な表情で振り返った。
「塚脇氏は、前村長の古川健治さんの時代から村に出入りし、事務所も構える古株の事業者ですよ。ねぶた祭の『に組』のスポンサーをしているでしょ。青森では知る人ぞ知る存在ですが、印象は穏やかなビジネスマン。特に政治臭は感じなかったけどなあ……」
 そのJWD社長・塚脇正幸こそ、政府が再生可能エネルギーの切り札として推進する、洋上風力発電の私物化を画策した“風力マフィア”の黒幕とみられているのだ。
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