三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

ジェネリック製薬 「崩壊」の瀬戸際

医薬品不足「恒常化」厚労省の失政

2023年12月号

 解熱剤、咳止め、ビタミン剤からインフルエンザ治療薬まで様々な医薬品の欠品が相次いでいる。「欠品の確認が、毎朝、最初にする仕事です」。東京都内のクリニックの医師は言う。後発医薬品(ジェネリック)メーカーの出荷停止、制限が続いていることが原因だ。だが、根本的な問題は厚生労働省の「護送船団方式」にある。安定供給のためには、障壁となっている規制を撤廃し、海外の巨大メーカーの参入を容易にすることしかない。決断の時は迫っている。
 欠品のきっかけは二〇二〇年十一月、小林化工が販売する水虫治療薬に睡眠薬が混入し、めまいやふらつきの報告が続いたことだった。二人が死亡、服用者の交通事故も明らかとなった。同社は、医薬品医療機器等法(薬機法)で定める製造手順を遵守しておらず、二一年二月、福井県は百十六日間の業務停止命令を下した。その後、最大手の日医工を含む複数のジェネリックメーカーで同様の不祥事が発覚した。

護送船団方式の「ぬるま湯」

 日本ジェネリック製薬協会によると、二二年一月までに自主点検を終えた三十八社中、三十・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます