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政治

派閥「偽装解散」後の自民党勢力図

《政界スキャン》

2024年2月号

 昨年来、解散するかも、とさんざん思わせぶりを続けてきた岸田文雄首相が、ついに踏み切った。ただし、解散したのは衆院ではなく、岸田派でした……。これではサプライズというより肩すかしだ。ほとほと呆れてしまう。
 先に昨年12月、派閥を離脱し、会長を辞めていたのは、こうすることの布石だったのか。いや、むしろ、もう会長でもない人が、解散を命じるのは筋が通らない。一方で自民党政治刷新本部を作っておきながら、その方針がまとまる前に、結論の一部を総裁が抜け駆けして宣言するとは身勝手すぎる。まして後見人を気取る麻生太郎副総裁から「何なんだ。俺のとこは解散しないよ」と反発されると、日曜日に慌ててホテルの高級和食店に招き「事前に連絡せずごめんなさい」と謝るに至っては、つくづく情けない。
 この人は一事が万事、段取りとタイミングがちぐはぐで、言動に論理も周到さも欠けている。派閥解散も思い詰めた末の決断というより、追い詰められた挙げ句の思いつきだろう。世論からもまったく評価されなかった。
 確かに岸田派が解散の先鞭をつけたおかげで、閣僚・党役員ポストを・・・