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経済

東京エレクトロン 「中国偏重」の罠

業績絶好調に潜む「転落リスク」

2024年3月号

 半導体が自動車、家電、化学、鉄鋼などを押しのけ産業界の頂点に立ちつつある。台湾TSMC、韓国サムスン電子の二強をはじめ有力半導体メーカーに脚光があたるのは当然として、半導体産業の特徴は他産業では〝黒衣〟の製造装置メーカーが熱い視線を集めていることだ。そこには最先端の露光装置を支配する蘭ASMLや米アプライドマテリアルズと並んで、今や株式時価総額が十七兆円を超える東京エレクトロンも含まれる。だが、業績絶好調の同社には中国への依存という、会社を〝即死〟に追い込みかねないリスクが内包されている。
「半導体をつくる機械をつくっています」。TBSの番組で時折、流されるこの広告は東京エレクトロンのものだ。一般の人たちにはまったく縁のない装置メーカーだが、広告を流すのには理由がある。知名度を上げなければ優秀な人材を確保できないこともあるが、東京エレクトロンが1963年にTBSの100%出資で設立され、現在もTBSホールディングスが株式の3.46%を保有する第四位株主だからだ。沿革からみてもきわめて異色のメーカーであることがわかるだろう。
 東京エレクトロンは、半導体製造プロセス・・・