石破「先送り政治」の大罪
与野党談合で重要課題「全放棄」
2025年6月号
1年間に2度も国政選挙に臨めば、誰が総理大臣でも大衆迎合に陥る。誰にでも臆せず持論を唱えるのが魅力だった石破茂まで、自由民主党の総裁に選ばれてからは持論を封印し、「熟議」と称して結論なき議論を続け、足元に大衆煽動のポピュリズムを招いている。見せかけだけの政権との対決姿勢に安住する野党も加担した先送りと分断の政治が、日本を蝕み始めた。
コメ価格を巡り農林水産大臣として失言を重ねた江藤拓を更迭するまで石破が4日も要したのは、先送りの癖が骨の髄までしみこんでいたからだ。
SNSで江藤批判が沸騰したのは、佐賀新聞が「コメは買ったことがない」などとする5月18日の発言を報じた後で、時間差があった。石破が早々と江藤続投を明言したのも、他メディアや野党が当初は静かだったことや、昨年の自民党総裁選で江藤に支持された内閣官房長官の林芳正への配慮もあった。
それ以上に大きかったのが、決断を嫌がる石破の性格だ。コメ価格や米国大統領ドナルド・トランプの関税政策への農林水産省の対応に腹を立てていた石破にしてみれば、農林族議員として農水省と一体化した江藤を交代させる絶好の機会・・・
コメ価格を巡り農林水産大臣として失言を重ねた江藤拓を更迭するまで石破が4日も要したのは、先送りの癖が骨の髄までしみこんでいたからだ。
SNSで江藤批判が沸騰したのは、佐賀新聞が「コメは買ったことがない」などとする5月18日の発言を報じた後で、時間差があった。石破が早々と江藤続投を明言したのも、他メディアや野党が当初は静かだったことや、昨年の自民党総裁選で江藤に支持された内閣官房長官の林芳正への配慮もあった。
それ以上に大きかったのが、決断を嫌がる石破の性格だ。コメ価格や米国大統領ドナルド・トランプの関税政策への農林水産省の対応に腹を立てていた石破にしてみれば、農林族議員として農水省と一体化した江藤を交代させる絶好の機会・・・