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日本が背負う 「台湾防衛」の重荷

有事の「参戦」を要求する米国

2025年8月号

 「抑制主義者(restrainer)」と「優先主義者(prioritizer)」。トランプ政権で安全保障を牛耳っている重要人物は、このいずれかの類型に当てはまると言われている。
 抑制主義者は、米国の国際安全保障への関与を極力減らすべきだという考えで、「MAGA(米国を再び偉大に)」主義者の考え方を基盤とする。トランプ大統領やバンス副大統領、ギャバード国家情報長官らが該当する。優先主義者は「限られた米国の軍事力を優先度の高い限られた地域に使うべきだ」と主張する。コルビー国防次官やホーリー上院議員(共和・ミズーリ州選出)が代表格だ。共和党には他に、イラク戦争を主導したネオコンのように米国が国際的な覇権を維持すべきであるとする「優越主義者(primacist)」もいるが、第2期トランプ政権では全く影響力を失っている。
 7月、抑制主義の傾向が強い保守系シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」(本部・ワシントン)が衝撃的な報告書「米国の国益に合わせた世界的な軍事態勢」を発表した。抑制主義者の観点から、トランプ政権による「世界的軍事態勢の見直し(Global Po・・・

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