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経済

JERAで進む 「企業統治」の崩壊

公益事業を専横する「3人の男女」

2025年12月号

 各紙記事のその写真を見た電力関係者の一部からは、密かな嘆息が漏れた。
「真ん中にいるのは、やはり“魔性の女”か……」
 こう忌まわしく呼ばれたのはJERAの肥田峰子―。東京電力と中部電力の燃料・火力発電共同会社のLNG(液化天然ガス)部門にあって、花形の米国事業を牛耳るオリジネーション第一部長である。
 9月11日配信の記事は、エネルギー企業、米グレンファーンが開発するアラスカLNGについて、JERAが調達を検討する覚書を交わしたという内容。購入量は年100万㌧、20年間の長期契約とされる。写真には両社の首脳に囲まれ、中央で覚書を誇示する笑顔の肥田が収まっていた。JERAの会長CEO・可児行夫の姿も見える。
 その可児はトランプ米大統領来日時の10月28日、この覚書のおかげで米国大使館の夕食会に招かれ、80兆円の対米投資のプレーヤーの一人と称揚されたのだ。なるほど、アラスカLNGは総事業費6兆円超の巨大プロジェクトである。アラスカ州北部の永久凍土層のガス田から、太平洋岸に建設するLNG出荷基地・・・

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