三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

経済

絶不調ファンド「CVC」の焦燥

マンダムも敗勢で弱者の烙印

2026年1月号

「踏んだり蹴ったりとはまさにこのことだろう」(大手銀行幹部)。プライベート・エクイティ(PE)ファンド業界で今、もっとも「ついていない」と言われているのが、欧州系のCVCキャピタル・パートナーズだ。やることなすこと全てトラブルに巻き込まれているという。
 冒頭の銀行幹部のコメントはマンダムのMBO(経営陣による買収)を評したもの。CVCがファイナンシャルスポンサーになり、マンダム創業家と組んでMBOを発表したのが2025年9月10日。買い付け総額約800億円のディールだったが、舞台が暗転するのにそう時間はかからなかった。
 わずか2週間後には村上世彰氏らが6・67%のマンダム株を保有しているという大量保有報告書を開示した。村上氏らはその後も株を買い進め、直近では約2割を保有している。
 村上氏らはTOB(株式公開買い付け)価格が安すぎると反発。彼らの買い増しもあり株価は当然ながらCVCなどが設定した価格を超えて推移しており、MBOの成立は絶望視された。
 当時、CVC関係者は「TOB価格が安すぎるというが、マンダムの今後の収益面は楽観視できずかな・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます