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ロシア「独り勝ち」は真ならず

親露国「狙い撃ち」に焦るプーチン

2026年4月号

 泥沼化する米・イスラエルのイラン攻撃で、「戦争の唯一の勝者はロシア」(コスタ欧州理事会議長)とする見方が広がっている。原油価格の高騰、米国内の混乱、欧州の離反など、ロシアに有利な展開になったからだ。
 2月下旬、ウクライナ侵攻から4年を経たモスクワの雰囲気は驚くほど沈滞していた。ウクライナ戦争は膠着し、不況下で庶民の生活苦が高まり、不満が噴出し始めた。プーチン政権は4周年への言及を避けた。
 ところが、突然のホルムズ海峡危機で、1バレル40㌦以下で取引されていたロシア産原油価格は80㌦以上に上昇し、3月の石油収入は前月の2倍以上に上る見通しだ。財政赤字拡大に苦しむロシア経済に恵みの雨となった。
 ただし、ロシアの漁夫の利は今後の展開次第だ。戦争が長期化すれば、世界不況で原油需要が低迷し、価格は再び下落しよう。BRICSにも加えた準同盟国・イランの弱体化はロシアの影響力低下につながる。親露派政権崩壊ドミノへの国内保守派の不満も鬱積する。

イラン政権存続が最優先

 ロシアの情報機関・・・

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