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WORLD

大国による「世界分割」の時代

米中露の「暴力」で決まる国際秩序

2026年4月号特別リポート

 米国のドナルド・トランプ大統領は、2期目の就任演説で戦争を嫌う「平和の使者」と自らを称した。それを真に受け、ノーベル平和賞の候補だとはやし立てる声もあった。しかし今年2月、トランプ大統領はイランの体制転覆を狙う最大級の軍事行動「エピック・フューリー(壮絶な怒り)作戦」に踏み出した。その背後には、地域支配とエネルギー支配への野心が透けて見える。中東では盟友イスラエルの優位が決定的となり、米国が武力によって世界秩序を再構築しようとする姿勢―いわば「新帝国主義」が鮮明になった。長期化するトランピズムの米国と、独裁体制の中国・ロシアが並び立つ世界は、大国による分割へと向かう臨界点に立っている。世界が制御不能な混乱へと落ち込むリスクを、直視しなければならない。

戦争失敗でも「イスラエル一強」

 最高指導者のアリ・ハメネイ師、最高安全保障委員会のアリ・ラリジャニ事務局長、エスマイル・ハティブ情報相。米国とイスラエルはイラン指導層を次々と殺害した。しかし期待していたイランの民衆蜂起は起きず、1979年のイラン革命前の王制・・・

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