中国EV「カナダ攻略」の号砲
北米自動車産業「激変」は不可避
2026年6月号
この4月、中国EV最大手BYDが、カナダ国内で年内に20店舗を開設すると発表した。これを可能にしたのは、3月1日に発効した新しい関税枠組みである。トルドー前政権が2024年に米国に同調して導入した中国製EV100%関税が撤廃され、MFN(最恵国待遇)税率6・1%+年間4・9万台のクォータ制(輸入枠)へ変更された。100%が6・1%である。北米自動車産業の前提を揺るがす出来事だ。
転機は今年1月16日、マーク・カーニー首相と習近平国家主席の北京会談だった。カナダ首相の訪中は約8年ぶり。引き換えに中国はカナダ産菜種関税を約85%から15%に引き下げた。
カーニーは2025年春の選挙運動中、中国を「最大の脅威」と呼んでいた人物である。それが26年1月のダボス会議では、「米国の覇権はもはや機能しない」と語った。背景にはトランプ関税の圧力がある。米国の自動車関税で痛手を負ったカナダが、中国側の市場開放と引き換えに、北米経済圏の前提を一方的に書き換えた。
BYDの動きは速かった。元ステランティス幹部でBYD欧州顧問のアルフレッド・アルタヴィッラは4月、ブルーム・・・
転機は今年1月16日、マーク・カーニー首相と習近平国家主席の北京会談だった。カナダ首相の訪中は約8年ぶり。引き換えに中国はカナダ産菜種関税を約85%から15%に引き下げた。
カーニーは2025年春の選挙運動中、中国を「最大の脅威」と呼んでいた人物である。それが26年1月のダボス会議では、「米国の覇権はもはや機能しない」と語った。背景にはトランプ関税の圧力がある。米国の自動車関税で痛手を負ったカナダが、中国側の市場開放と引き換えに、北米経済圏の前提を一方的に書き換えた。
BYDの動きは速かった。元ステランティス幹部でBYD欧州顧問のアルフレッド・アルタヴィッラは4月、ブルーム・・・









