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連載

金融の世紀

第44回【英・独携帯市場の対立と買収】
黒木 亮

2026年8月号

 バブル時代のアイコンといえば、1985年にNTTが発売した、重量約3㎏の日本初の携帯電話、「ショルダーホン」だろう。
「帝王」マイケル・ミルケンの逮捕とジャンクボンド市場の崩壊で終わりを告げた第4波のM&Aブームの約5年後、第5波のブームが巻き起こった。その牽引役が携帯電話だった。
 90年代後半、携帯電話が世界で急速に普及し、AT&Tワイヤレス(米)、ボーダフォン(英)、NTTドコモ(日本)、TIM(テレコム・イタリア・モービレ、伊)といった大手を筆頭に、世界中で数多くのモバイル・キャリア(携帯電話事業者)が登場し、国際的な合従連衡が隆盛を極めた。
 世界のM&A市場は第4波のピーク(88年の約7770億㌦)を大きく上回る活況を呈し、95年には総額1兆390億㌦、99年には、実に4兆1160億㌦に達した。
 こうした状況下、99年秋、第5波のブームの頂点というべきM&A案件が登場した。ボーダフォン・エアタッチ(英)によるマンネスマン(独)の敵対的買収である。最終的に2027億8500万㌦(当時のレートで約21兆7487億円)となった買収総額は・・・

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