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社会・文化

日本陸連「河野家私物化」の異常

実権握って利益誘導も

2010年1月号

 昨年の三月二十三日、東京マラソンの翌日、日本陸上競技連盟(陸連)は評議員会を開いた。そこで、衆議院議長(当時)の河野洋平氏(七十二歳)を会長として再選した。これにより河野氏は一九九九年から五期十年にわたって君臨し続けてきた陸連トップの座を、さらに一期二年続けることになった。
 実は、陸連では二〇〇三年に役員の定年を七十歳と定めている。
「役員の定年制を決めたのは河野会長だが、会長職には適用しないと決めたのも本人。彼はすでに七十歳を超えており、地方の陸協(都道府県の陸上競技協会)を中心に新しい会長を選任する動きがあった。しかし、河野会長自身が続投を強く希望した。昨年八月の総選挙で政界からの引退を決めていたため、存在感を示す肩書を失いたくなかったからだといわれています」(陸連OB)
 正月恒例の箱根駅伝の往路のゴール地点では、河野氏が学生時代に所属した早大競走部の後輩を待ち受ける姿が映り、テレビ中継のアナウンサーは陸連会長として紹介する。大阪で開催された世界陸上では、大会組織委員会会長として国際陸上連盟ラミン・ディアック会長に続いて挨拶をするなど、河野・・・