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WORLD

「中国離れ」するミャンマー軍政

米国の歩み寄りに応じて

2010年3月号

 正確な時期は未定だが、軍事独裁国家ミャンマーで今年中に、一九九〇年以来二十年ぶりとなる総選挙が実施される。これまで軍事政権は民主化問題や人権抑圧で国際社会の非難を浴びながらも、中国の支援を受け、総選挙後も軍による実質支配を継続するためのシステムを作り上げてきた。
 だがここにきて、中国の動きを睨むオバマ米政権が軍政との対話を始め、従来の「軍政・中国」対「欧米」という構図が崩れた。軍政と中国の亀裂をうかがわせる情報さえあり、ミャンマーが米中両大国を天秤にかけている構図だ。

中国への警戒感は根深い


「ワ族が聞く耳を持たないのは、背後に中国がいるからだ。連中が麻薬ビジネスで潤っているのは誰もが知っている。米国が我々を手助けしてくれればよいのだ」
 中国に接するミャンマー北東部シャン州。現地からの情報によれば、最近開かれた、少数民族武装勢力「ワ州連合軍」への対応を協議する会議の席上、軍高官のミン・アウン・ライン司令官はそう言って中国を批判し、米国への「期待感」を露わにしたという。{・・・