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ユドヨノ政権を揺さぶる「テロ新組織」

アチェ州中心に跋扈

2010年5月号

 二〇〇五年の停戦後、平穏が続いていたインドネシアのアチェ州が再び混乱期に入った。「ジェマ・イスラミア(JI)」の後継とも呼ぶべき新たなイスラム過激派組織の存在が明らかになり、背後にはアルカーイダの存在が指摘されている。こうしたなかユドヨノ大統領は、政治生命をもかけた掃討作戦に乗り出している。

ちらつくアルカーイダの影


「山間部の秘密軍事訓練基地で武装集団と銃撃戦、二人射殺」「自首した容疑者宅から自動小銃、銃弾押収」「民家の家宅捜索中、抵抗したため射殺」。
 この一連のニュースはアフガニスタンやパキスタンの事件ではない。東南アジアのインドネシア北西端に位置するスマトラ島アチェ州で、今年三月以降立て続けに起きたものだ。
 現状把握の前に簡単に振り返る。同州は一九七六年に独立を宣言。以来、武装組織「自由アチェ運動(GAM)」と国軍による紛争が続いた。スハルト政権下では東ティモールやイリアンジャヤとともに「軍事作戦地域」に指定された。
 その後、二〇〇二年に東ティモールが・・・