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米アフガン司令官「解任」の真相

オバマ政権への「計画的反乱」

2010年7月号

 アフガニスタン駐留米軍を指揮するマクリスタル司令官が、アフガン戦略をめぐって政権を批判した問題で、オバマ大統領は、六月二十三日、同司令官を解任した。大統領は、後任の司令官として、マクリスタル司令官の上司であるペトレアス中央軍司令官を任命。司令官の解任劇による軍部をはじめ政権への影響を最小限に食い止めようと試みた。しかし、今回の政権批判は、オバマ政権の外交・軍事チームと、アフガン現地の駐留軍との間に、アフガン戦略の基本方針をめぐって、様々な亀裂と対立が存在している実態を内外に露呈してしまった。
 司令官発言は、オバマ政権の中枢にあるバイデン副大統領ら政府高官らを批判し、揶揄したもので、米誌「ローリング・ストーン」のインタビュー記事として掲載された。
 冷静沈着で知られる同司令官が、なぜオバマ政権の高官らをからかうような「嘲笑的な発言」を雑誌記者に敢えて語ったのか。政権を批判すれば更迭されることは自明の理である。智将、名将の誉れ高かったマクリスタル司令官が、そのような行動に出た背景に何があったのか。

「覚悟の上での政権批判」

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