三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

連載

Book Reviewing Globe315 

世界共通語としての英語

2010年8月号

Globish How the English Language  Became the World's Language Robert McCrum W.W.Norton&Company 2010 $26.95

 楽天とファーストリテイリングがともに二〇一二年から英語を社内公用語にすることを決めた。楽天の場合、すでに四月から役員会の議論やそこに提出する書類をすべて英語に切り替え、準備態勢に入っている。両社ともグローバル展開のために外国人社員をどしどし採用する方針だ。外国人社員が増えれば増えるほど、日常会話でもメールでも英語が浸透していくだろう。ここから英語リテラシーをモノにしたグローバル企業戦士が続々と生まれてくるに違いない。
 十年前、小渕首相の諮問機関だった「21世紀日本の構想」懇談会が「英語を日本の第二公用語とするべきだ」と提言した。恐ろしいほどの先見性だったが、その後の日本は、小泉・竹中路線憎けりゃグローバル化も英語も憎い、といわんばかりの内向き、ひきこもりの心情と政治に支配され、提言は忘れられた。そして日本は世界の波・・・