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政治

民主党「御用達」学者の大罪

国民の判断を歪めた元凶

2010年9月号

 国民の熱い期待を背負って民主党政権が発足してからまもなく一年が経つ。しかし、マニフェスト(政権公約)は不履行が相次ぎ、異常な円高・株安が進行している。普天間問題は解決の道筋すら見えず、前幹事長、小沢一郎の政治資金問題も未解決のままだ。参院選では、「こんなはずではなかった」という国民の不満が、民主党を大敗させたが、バラ色の「政権交代」熱をあおった学者・文化人たちは自らの責任に頬かむりしたままだ。ならば、時計の針を一年前に戻して彼らの言動を再現してみよう。

日本経済を大きく飛躍させる!?


 民主党の「御用達」学者ナンバーワンは、北大教授の山口二郎だ。旧民主党結党以来の支援者である山口は、早い時期から「政権交代は、日本の民主政治にとってそれ自体目的である」と煽り、テレビ番組でも自公政権を徹底的に批判した。「世界」(二〇〇九年九月号)では、「自民党が政権担当能力を失ったことは誰の目にも明らか」だとしてこう強調していた。
「民主党は今のところ野党なので、財源の明細書を作ることは難しいし、そんな・・・