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社会・文化

マグロを根絶「巻き網漁」の犯罪

規制をすり抜ける無法者が跋扈

2011年2月号

 新春恒例の築地のマグロ初競りは三千二百四十九万円という史上最高値をつけ話題を呼んだが、こうした光景が見られるのもあとわずかかもしれない。
 一月十七日と十八日、水産庁の宮原正典次長が福岡、下関両市で、韓国産のヨコワ(マグロの幼魚)の輸入関連業者との会合を開いた。「輸入量をこれ以上増やさないように」と要請、「抜けがけが起こらないよう関係者でデータを共有し、守らなければ情報開示もありうる」と警告も発した。乱獲されたマグロの輸入業者に強い姿勢を示し、韓国ルートを封じ込める“水際作戦”が本格化したのだ。
 産卵期のマグロ禁漁などを含む「資源回復計画」を去年五月に発表した水産庁が、国内外の巻き網漁規制を強化している。背景にあるのは、言わずと知れたマグロ資源の危機的状況だが、国際交渉の場でもその元凶とされたのが「巻き網船」による乱獲だ。

水産庁は枯渇寸前まで放置


 巻き網漁は数キロメートルに達する網を広げ、かかった魚を一網打尽にする。未成熟のヨコワや産卵前後のマ・・・