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中国を襲う「日本発」資源パニック

悪性インフレ加速の引き金に

2011年4月号

 二月下旬、中国各地で中東革命に端を発した「茉莉花(ジャスミン)革命」と銘打つデモへの参加が呼び掛けられていたが、中国指導部は見事、これを抑え込んでみせた。共産党が有する強大な「警察動員力」と、狡猾な「情報封鎖力」をもってすれば、容易なことであったかもしれない。
 これに一息ついた矢先、であったに違いない。中国では年一回の「政治祭典」全国人民代表大会(全人代)の開会中だった三月十一日、東日本大震災が発生、その後の福島原発放射能漏れ事故とあいまった「ジャパン・ショック」が、胡錦濤政権に新たな難題を突き付けようとしている。
 国内に蔓延する悪性インフレや格差問題の元凶たる「土地問題」に加え、新たに加わった日本発のエネルギー危機という、共産党政権をもってしても制御しえないファクターが、目下、中国の最重要課題である国内治安問題に暗い影を落としている。

エネルギー高騰に政権もお手上げ


「ジャパン・ショック」は、世界第二位に躍進した中国経済に二つの大きな影響を早くももたらしている。一つは・・・