特捜検察を「無力化」した民主党
「政界浄化」は誰が担うのか
2011年8月号
大阪地検特捜部の不祥事を受け、検察改革を検討してきた最高検察庁は七月八日、最終改革案を発表した。その内容を聞いて司法関係者ばかりか永田町住人の多くも仰天した。検察の顔である特捜部から独自捜査権を剥奪するかのような改革案だったからだ。一九四九年に発足した東京地検特捜部はロッキード事件、リクルート事件、金丸脱税事件、旧大蔵・日銀接待汚職事件など輝かしい捜査事績を残し、政治家、高級官僚、財界を畏怖せしめてきた。その組織が骨抜きにされようとしている。何があったのか。特捜の漂流先は―。