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みずほ銀で旧興銀勢が跋扈 新たな火種となる「蔑称問題」

2012年3月号

みずほフィナンシャルグループで、怨嗟の声が渦巻いている。行内を我が物顔で跋扈する旧日本興業銀行(IBJ)勢に対してだ。グループCEOとなった佐藤康博社長兼CB頭取(旧IBJ出身)主導の下で行われた一月の役員人事では、枢要ポストから旧第一勧業銀行勢をほぼ駆逐。旧富士銀行勢も大半は「息の根を止めた」(旧IBJ出身幹部)。いまや「身内」の間では、旧第一勧銀勢と旧富士銀勢をひとからげにして「旧T」などと呼び、蔑視・憫笑しているらしい。  Tとは「都市銀行」のローマ字表記の頭文字。わざわざ「旧D(第一勧銀)」や「旧F(富士銀)」と属性をつけるほどの「タマじゃない」(同)ということらしい。かつて「銀行の中の銀行」とも奉られた「旧I」の「鼻持ちならないエリート意識」(金融筋)が頭をもたげてきたようだ。  もっとも行員数の比率は旧D・旧F各三に対し、旧Iは一未満。少数民族による多数支配が永続したためしはない。一部には「こうなったら旧Dと名実ともに結託して、旧Iを潰す」と息巻く旧F出身幹部もおり、「蔑称問題」は新たな暗闘劇の火種に浮上してきそうだ。・・・