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WORLD

「密約」結んだオバマとウォール街

二期目は「共存共栄」を目指す

2012年4月号

ウォール街がオバマ米大統領の再選をにらんで動き出した。大統領は就任後の三年間で、「金融規制改革法」を巡って金融業界と激しく争い、今年の一般教書でも「金持ち増税」「金融機関の負担増」を打ち出した。だが、表向きのレトリックとは別に、オバマ陣営は内密に「二期目は敵対しない」と金融業界にメッセージを送っている。選挙資金集めもスタートし、ウォール街と大統領は二期目の「共栄共存」を目指し始めた。

「悪者扱いしない」と確約

 夜は気温が氷点下にまで下がる三月初めのニューヨーク。オバマ大統領が久しぶりに金融街に戻ってきた。一席三万五千八百ドルという超高額の晩餐会に、八十人の投資家、バンカーたちが集まった。 「記者を入れない内輪の会。参加者によると、笑いが絶えず、雰囲気はよかったようだ。かつての業界との対決について、大統領は『君らの仲間から随分攻撃されたけれども、僕を守ってくれた人もいたなあ』と笑い飛ばした」と、現地の金融記者が語る。大統領はこの夜、ほかに三つの選挙資金集めイベントに出席した。参加費だけで一千~一万ドルのパーティーは、どれも大盛況だった。 ・・・