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政治

《罪深きはこの官僚》 南川秀樹(環境省環境事務次官)

ガレキ焼却で利権をばらまくA級戦犯

2012年6月号

 日本はいまや、米国以上にゴミ焼却量が多い、世界一の“焼却大国”であることをご存じだろうか。リサイクル、リユースによりゴミの焼却量を削減したうえで、雇用創出効果など経済的メリットも享受するという世界の潮流とは一線を画し、日本はいまだに徹底した焼却主義に凝り固まっている。

 そうした政策は東日本大震災の被災地におけるガレキ(災害廃棄物)処理でも貫徹されており、被災地ではその必要性が疑われるほどの焼却炉が次々と新設、再稼働されている。この焼却主義こそが、ガレキ処理を焼却炉メーカーの利権とならしめ、ガレキ処理費の肥大化を招いている実態がある。時には北は北海道から南は沖縄県まで、ガレキをわざわざ遠方にまで運び、焼却処分をする「広域処理」は、まさに焼却中心主義を推し進めた末の不合理な施策にほかならないが、その旗振り役が南川秀樹・環境事務次官である。

 南川にはかつて、廃棄物・リサイクル対策部長として、ゴミ処理行政を担当した前歴があり、今回のガレキ広域処理は従来の焼却中心路線をそのまま踏襲したものといえる。広域処理に反対する環境問・・・