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政治

《罪深きはこの官僚 》菊川 滋(国土交通省道路局長)

無駄な道路建設の「旗振り役」

2012年7月号

「コンクリートから人へ」を掲げて政権を奪取した民主党の“看板政策”がことごとく見るも無残な末路を辿っているのは、今さら指摘するまでもない。それには民主党政権の見通しの甘さもさることながら、霞が関官僚の猛烈な「巻き返し」があったのは、周知の通りだ。コンクリート行政を担う国土交通省の抵抗は、その最たるものだ。「高速道路の料金無料化」の路線拡大を早々と阻止し、旧来型の高速道路バラマキ路線をものの見事に復活させたのが、道路行政を指揮する菊川滋道路局長だ。

 国交省は四月、費用対効果が乏しいことから凍結されていた関越自動車道上越線など高速道路六区間の「四車線化事業」や「新名神高速道路」「東京外郭環状道路(外環道)」の大型工事の再開を相次いで許可した。選挙ムードが高まり、「選挙対策」を欲する永田町につけ込む形でのドサクサまぎれの決定に国民が啞然とする中、建設推進の流れができたとみるや菊川は、たたみかけるように通常国会で高速道路の未開通部分解消の重要性を訴え続けている。

 さらに、国土交通委員会では、地方選出の参議院議員が選挙区内に・・・