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連載

西風 375

不倫報道で試される「器量」
八木亜夫

2012年8月号

 次期衆院選のキープレーヤーの一人と目される橋下徹大阪市長に女性スキャンダルが勃発した。

 七月十九日に発売された週刊文春が、「橋下徹大阪市長はスチュワーデス姿の私を抱いた」という刺激的なタイトルで、橋下氏が大阪府知事に就任する前の二〇〇六年から〇七年にかけて、大阪・北新地の高級クラブの女性ホステスと不倫関係にあったと報道した。

「まあ、知事になる前までは、聖人君子のような生き方をしていたわけではないですから」
 前日の十八日、報道陣に囲まれた橋下氏にいつもの歯切れの良さはなく、汗をかきながら「妻や子どもに申し訳ない」と大筋で事実関係を認めた。昨年の自らの出自を巡る報道には「バカ文春」と攻撃したが、「今回はバカは付けられない」と白旗を揚げた。

 今回のスキャンダルは、地域政党「大阪維新の会」を率いて国政進出を目指す橋下氏の今後に、どんな影響を与えるのか。

 七人の子の父親である橋下氏は四年前の府知事選では、「子どもが笑う大阪」をキャッチフレーズに掲げた。大阪市長に就いてからも、子どもの医療・・・